自身を表現するための作文教室

対象:小学校4年生以上
受講費用:7,800円/月 60分×2回

 毎回、作文を書いて、文章作成や思考の能力を向上させようという講座です。

 生徒は、一定のテーマに基づいて、一定の時間内で作文を書いてみます。楽しみながら文章を作り、できあがった作品を自分なりに評価することで、文章を作ることに慣れてもらいます。

自由に文章で表現してもらうことが目標

 書き方や内容については、なるべく制限せず、極力自由に書いてもらう、そして書けたことに対しては存分に称賛する……こういう方針で、教室運営を進めていきたいと思っています。

 そのため、作文の内容について批判されることは一切ありません。内容云々ではなく、本人が表現したいことを表現できれば、それは称賛に値するすばらしい業績です。周囲の人々はそれについて評価すべきと考えます。もちろん間違った表現などがあれば、講師が正しい表現を提案します。できあがった作文は、時間が許せば(同時に作者が希望すれば)皆の前で披露します。

 なお、テーマを設定するのは、一定の枠組みを与える方が書きやすくなるためです。そのため、特定のテーマについて書きたくないというのであれば、別のテーマで書いてもかまいません。制限はできる限り取り払って、主人公である生徒が書きたいことを自由に書く、これが目標です。ともかく講師は、「大作家先生の文章を受け取る編集者」の立場を極力守るようにし、子どもに自由に表現してもらうことを目指します。

スケジュール

1カ月に2回、各60分

この講座の趣旨

 現在、小学校、中学校の教育現場では英語学習が強化されていますが、その煽りを食って、他の教科の学習時間が少なくなっています。特に最近は、国語教育が軽視されているようで、私などは、それで本当に大丈夫?とつい考えてしまいます。

 英語を勉強させるのも結構ですが、そのせいで日本語学習の時間が短くなるのは、本末転倒ではないかと思えてしまいます。日本で普通に職に就く場合、英語が必要になるケースは比較的少なく、一方で日本語についてはあらゆる場面で読んで書かなければなりません。これは明らかでしょう。端的に言ってしまえば、英語ができなくてもさして困らないが、日本語の読み書きが満足にできなければ、仕事や生活で大いに支障を来すということになります。

 英語教育の偏重についてはいろいろと言いたいことがありますが、それはまた別の機会に譲るといたしまして、いずれにしても子どもの日本語の読み書きの能力が英語偏重のために犠牲になる可能性は大いにあると言えます。

 それを補うというわけではありませんが、子どもがもう少し気楽に作文を書けるような時間、空間があれば楽しいんじゃないかと考え、作文教室を始めようと思い立ちました。教室とは言っても、基本的には子どもに一定のテーマで自由に書いてもらって、大いに褒めてあげようというような時間にしたいと考えています。

 作文、あるいは文章にしてもそうですが、名文を書く必要はまったくなく、またそこを目指す必要もありません。したがって、間違いや表現については指摘したり別の表現を提案したりしますが、生徒たちに、書くこと、表現することを楽しんでもらうということが最優先になります。楽しんで書くようになれば、その後も書くことに抵抗がなくなり、自身を文章で表現することができるようになります。そのまま書き続けていれば、文章力もやがて上達し、同時に、うまく書かれている文章、たとえば文学作品などにも興味が湧いてくるかも知れません。これが国語学習の好循環というものです。

 身近なことを文章にして書いてみる……それがその子どもにとって大きなうねりを生み出すかも知れません。また、そのことが自身を表現することにも繋がります。どのような方法であろうと、自分を表現できることは、現代人にとって何よりも必要だと私は考えます。特に現代のように、自分を押し殺しながら周囲と合わせなければならず、そのために息が詰まるような閉塞感を感じている人が多い社会ではなおさらです。

 文章を作る習慣を付けることから、自分を自由に表現することで自身を解放し、ひいては読書習慣をつけることができれば、国語の教育課程はすべて終了したも同然です。すべては、鉛筆を手にして、作文を書いてみるところから始まるのです。