Scratchプログラミング講座(5カ月講座)
対象:小学校5年生以上、中学生、高校生
期間:5カ月
受講費用:10,800円/月 50分×4回
プログラミング環境、Scratchを使って、プログラミングの基本を学習する講座です。
事前に用意されている未完成のゲーム(アソビズム製)を少しずつ改造して、プレイできる状態にします。その後、難易度を変えるなどの改造を施しながら、プログラミングの真髄に近づきます。自ら考えながら創造していくことを通じて、新しい次元に一歩踏み出すこと……それが目標です。
ネコを動かすだけがプログラミングじゃない
現在、小中学校の現場でもScratchでプログラミングの勉強をしているようですが、実際には、マスコットキャラクターのScratch Catを動かす程度で終わってしまい、プログラミングがどのようなものであるかを知るレベルには到達しません。大変もったいないことですが、これが現実です。
ゲームはするより作る方が面白い
現代の日本では、スマホのビデオゲームにはまる子どもたちが増え、社会問題にまでなりつつあります。スマホゲーム自体には賛否両論ありますが(私自身は否定派ですが)、私が言いたいのは「ゲームはするより作る方が面白い」ということです。これはゲームだけに限らずどんなものにでも当てはまると思いますが、何かを創造するという行為は、実に楽しいものです。自分で満足できるものを作ったときの喜びは計り知れないものです。そしてそれは人が成長する上で大切な経験になります。単に出来合いのものを消費するだけでなく、生産する方向を目指してみてはいかがでしょうか。生産性が一番という考え方にはまったく賛同できませんが、何かを作ることが大きな喜びに繋がり、人の成長に大きな役割を果たすのは確かです。
スケジュール
入門編(最初の2.5カ月 - 50分×全10回)
Scratchを使い、ゲームのプログラム(アソビズムという企業が製作した本格的なもの)を改造しながらプログラミングを学習します。
初級編(次の2.5カ月 - 50分×全10回)
Scratchを使い、シューティング・ゲームを最初から作り上げていきます。その後、他のプログラムにも挑戦する予定です。
- コンピュータの使用経験が少ない受講生には、事前に指導します。
この講座の趣旨
小学校、中学校でプログラミングが必修化され、今後、高校でも必修科目になるという話が聞こえてきます。しかも大学入試共通テストでも「情報」という科目が設けられると言います。私自身はこういう流れについて、少しばかばかしさを感じているクチですが、一方で、プログラミングに触れてその理屈が分かってくれば、人生が少しは楽しくなるかなとも思っています。
プログラミングは決して易しいものではありませんが、難しくて手も足も出ないというものでもありません。ほとんどの人にとっては、やってみると意外にできるという類のものだと思います。学校の現場で、試しにプログラミングを教えてみるというのも決して悪くはないのかも知れません。
ですが実際のところ、学校の現場でプログラミングの授業を導入すると行っても、なかなかそう簡単に行かないのが実情でしょう。実際、小学校や中学校の現場でも、スクラッチ(Scratch)というプログラミング環境を使って、ネコ(Scratch Cat)の絵を動かしてみるというのが関の山で、ほとんどの生徒にとって、プログラミングはそういうもので終わってしまいます。あるいは、学校の必須課程でなまじやってしまったばかりに、Scratch Catを見るのもイヤという生徒すら現れるかも知れません。
かつては、プログラミングなど学校で教わるものではなかったため、プログラミングを勉強した多くの人は興味本位、あるいは仕事で必要なために仕方なく勉強したわけですが、その際に一番効率の良い勉強方法は、決して図形を描く(プログラミングの教材では最初にこういうことをよくやるものです)、絵を動かす(つまりアニメーションを作る)などの方法ではなく、実際のプログラムに触れて、それを改造しながら利用するという方法だったはずです(同時にほとんどの場合、その程度でかなりのことがわかってきます)。
学校の現場で現在よく使われているプログラミング環境は、先ほども触れたScratchで、これはマサチューセッツ工科大学が開発し、子ども向けに広く公開している善意に基づく教育システムです。先ほど紹介したScratch Catは、Scratchのイメージキャラクターみたいなものです。Scratchは、プログラミング環境として非常によくできており、しかも使いやすく通り一遍のことができるため、現在、広い範囲で学習素材として使われています。そのためもあり、入門書やガイドなどもいろいろと出版されています。
今回この講座で利用するのは、アソビズムという企業が開発した教材(『scratchプログラミングドリル』)で、Scratchで書かれたゲームを少しずつ改造しながらプログラミングを学習するというコンセプトのものです。私もやってみましたが、プログラミングを習得するという目的に非常によく適っているすばらしい教材だと思います。すでに一部の生徒に対しお試しでやってみましたが、かなりの面白さを感じたようで、続けていけば一通りのプログラミング基礎技術を習得できることが見込まれます。
この教材が優れているのは、ゲームの構造みたいなものが分かる点で、易しすぎても難しすぎてもゲームは面白くなくなる、その頃合をはかるのがミソであるという、ゲーム製作者側の考え方が直に分かるようになる点です。こういう部分が理解できてくれば、ゲームに必要以上にはまってしまうということがなくなるんじゃないかとも思えます。私は、ゲームにはまるなどというのはあまり健全ではないと思っており、ゲームをプレイするよりも、ゲームを作る方がよほど創造的で面白いと思っています。また、プログラミングが理解できていれば、いろいろな部分で応用が利くようにもなります。趣味という点でも奥が深く、実利面でも有用なのは今さら言うまでもないでしょう。何よりも楽しんで学習することができます。この機会に、プログラミングの勉強をしてみるのはいかがでしょうか。