学校では教えてくれない大切なこと1
整理整頓
入江久絵著
旺文社
大人の有用度は少なめか
片付け、掃除から、小遣いの管理、ものごとの計画立てまで、「整理整頓」の大事さを子どもたちに教えるというコンセプトの本。2015年に発行された「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズの第一作である。このシリーズ、全部で何冊あるか知らないが30冊以上はある。今回他にも何冊か借りてみたが、本によって作画担当者が異なり、やはり良いものとそうでないものがある。この『整理整頓』はよくできている方である。
全編マンガで話が展開されるわけだが、この本については、著者のユーモア感覚が優れていて、テンポも非常に良い。少しばかりロールプレイングゲームのような構成になっており、何らかのミッション(「引き出しの整理」とか「かばんの整理」とか)をクリアすると「整太は「まとめる力」が少しついた。レベルメーターが少し上がった! ▼」などというメッセージが(章の最後に)出てくる。また、このミッション集には「カタヅケクエスト」というタイトルがつけられている。
整太を始めとしてそれぞれのキャラクターが立っておりマンガとしては面白いが、(本書のコンセプトである)整理整頓の極意みたいなものはあまり伝わってこなかった。参考になるような点もあるにはあったが、全体的に常識的な範囲で、大人が読んで吸収できるという要素は少な目だと思う。とは言え、子ども向けの本としてはそれなりに価値があると感じる。是非学校図書館に置いて欲しいものである。