お別れホスピタル (1)、(2)
沖田×華著
BIG SPIRITS COMICS
終末期病棟の「あるある」……なのか?

終末期病棟に勤める看護師が主人公のマンガ。
終末期病棟(ターミナル)とは、回復が見込めない患者が死期を迎えるまで入院する病棟のことで、院内では「ゴミ捨て場」とも呼ばれているらしい。そのため退院する患者は皆無で、看護師側の視点からすると、仲の良い患者も手がつけられない患者もほぼ全員死地に送り出すことになる。
患者の中には、認知症が進んで暴れる人や複雑な家庭の事情を持つ人などさまざまな人々がおり、十人十色の人間模様がある。そういう患者の姿を描いた連載マンガがこの作品である。元々は『ビッグコミックスピリッツ』の連載で、現在も進行中のようである。また2024年にNHKでドラマ化されている模様で、僕はその存在すら知らなかったが、ドラマになりやすい素材ではあると思う。
絵は単純化されたものであまり上手さを感じることはないが、コマ割りなどが洗練されているために、滞りなく読む進めることができる。さすが人気マンガ誌の連載作品は違うなどと感じてしまう。また描かれている内容も(病院関係者以外の)一般の読者にとっては目新しいもので、リアリティもある。こういうものに触れると、僕を含む一般読者はいろいろと考えるわけで、自分自身の末期についても思いを馳せたりすることになる。著者が元看護師ということなので、おそらく体験談や体験談の伝聞が元になっているのではないかと思う。著者には、他にも病院関連の著書があるようで(『透明なゆりかご』)、体験に基づく話がもっとも説得力を持つのは、どういう世界でも変わりない。本書の面白さはそういうところに根ざしているのではないかとつらつら考える。
今回第2巻まで読んだが、第3巻以降も似たような話が続くことが考えられる。現在第15巻まで出ているらしいが、そんなにネタが続くものなのか疑問にも感じる。僕自身は2巻でもう十分ということで、今回はこの2冊で終了である。

