ニーベルングの指環 (3) ジークフリート

松本零士著
小学館クリエイティブ

原作とは似ても似つかない

 松本零士版『ニーベルングの指環』の第3弾で、ワグナーの楽劇『ニーベルングの指環』第3部の『ジークフリート』が原作である。

 第2部の『ワルキューレ』に続く話であるが、前作同様話がとっちらかっていて、しかも中身が薄い。絵(特にメカ)は非常に丁寧に描かれていて、さすが松本零士と思わせるものがあるが、しかしストーリーが無茶苦茶で、その上面白みがまったくないと来ている。原作であるはずのワグナーの『ジークフリート』とも共通点がほとんど見いだせない話になっており、ワグナー目当てで読み始めた僕にとっては、このマンガを読む意義すらなくなってしまった。

 最後の第4部(『ニーベルングの指環 (4) 神々の黄昏』)が先日発売されたという話だが、当初購入を考えていたにもかかわらず、今ではまったく食指が動かない。結局のところ、ワグナーの楽劇に興味があるんだったら、最初からオリジナルに当たっていた方が良かったということだったのだ。

-マンガ-
本の紹介『ニーベルングの指環 (1) ラインの黄金』
-マンガ-
本の紹介『ニーベルングの指環 (2) ワルキューレ』