やはり死ぬのは、がんでよかった

中村仁一著
幻冬舎

「死ぬならがんがいい」を
実践した医師の姿を見よ

 『大往生したけりゃ医療とかかわるな』『どうせ死ぬなら「がん」がいい』の中村仁一が、2021年6月に肺がんで死去した。享年81歳。

 前年の6月にがんであることがわかり、その後は勤めをやめて自宅で過ごし、多少の呼吸困難があり酸素吸入も利用したらしいが、死去の前日まで自分の足で動きまわっていたという。まさに「大往生したけりゃ医療とかかわるな」、「どうせ死ぬなら「がん」がいい」という自身の主張を実践した形で、死を意識させるために「自分の子や孫に自分の死ぬ姿を見せる」というミッションも敢行したのであった。まさに有言実行。

 中村仁一氏は、著述業に従事する者の責任感からかわからないが、死ぬ間際まで手記を残していた。その中から2021年2月までのものを紹介するのが本書である。量が多くないことから、本書の他の部分は『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の焼き直しになっているらしい(未確認)。量自体は少なくても、著者のがん末期の状況や心情を紹介することは大いに意味のあることである。中村仁一の白鳥の歌として、傾聴するのが後進の者の務めである。せっかくこうして死の姿を見せてくれているのだからありがたく拝見させていただくのである。こちらも後進の者のために同じことができるよう心がけたいと意を新たにするのだった。

-社会-
本の紹介『大往生したけりゃ医療とかかわるな』
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本の紹介『どうせ死ぬなら「がん」がいい』
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