学校に行かなくなった日

琴葉とこ著
KADOKAWA/エンターブレイン

不登校児童の心の闇

 小学校4年から中3まで不登校だった著者が、自身の不登校時代を描いたマンガ。

 著者自身感受性が強い子どもだったようで、低学年時から学校生活がストレスになり、登校と不登校を繰り返すようになる。4年生になると、学校生活のストレスは和らいだが、今までのストレスが体調の変調となって現れ、一切学校に行けなくなった。

 家庭では父との関係が思わしくなく、父は恐怖の対象だった。不登校時に通っていたカウンセリングさえ、ストレスになる。

 そんな著者を支えたのが、絵を描くという行為で、絵を描いている間は没頭できる。やがて雑誌への投稿、ネットへの投稿を経て、徐々に外の世界とのコミュニケーションが増えていく。やがて自分の経験をマンガにして発表するまでになり、そのマンガ(『メンヘラちゃん』)が評価されて、自分にも自信が出てくる。中学卒業と同時に通信制高校に入って、同級生ともコミュニケーションが取れるようになって不登校を脱出し、社会に復帰できることになった。

 著者の場合、自分に絵・マンガを描くという行為があったことが大きいんだろうが、それをずっと見守ってサポートしていた母の存在も大きいと思える。通信制高校卒業後は大学に進学して現在に至る。大変な子ども時代だったが「終わりよければすべて良し」である(まだ人生は終わっていないが)。

 マンガはていねいに描かれており好感が持てるが、主人公と母を猫風の風貌にしているのが少々引っかかる。人間として描いてほしかったという気もあるが、「自分たちだけが社会から隔絶されている」という状況を表現したかったのかも知れないんで、一概に良いとか悪いとかは言えない。いずれにしても不登校児童の心の闇をメッセージとして伝えることができたという点では評価に値する。

-教育-
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