介護現場歴20年。
安藤なつ著、まめこ作画
主婦と生活社
介護職は「素敵な」仕事らしい
お笑いコンビ、メイプル超合金のツッコミ担当、安藤なつは、20年以上介護職に携わっている介護士でもある。元々、親戚の叔父さんが介護施設を営む人で、子どもの頃から叔父さんの家を時折訪れそこの仕事を手伝っていたことから介護の仕事に親しんでいたということらしい。実際に介護職員としても働いていたし、最近になって介護福祉士の国家資格も取ったという。
その安藤なつの半生を描いたのがこのマンガで、この作品を通じて著者の人となりがよくわかる上、介護職に対する彼女の思い入れもよく伝わってくる。
著者に言わせると、介護職は「辛い」だけの仕事ではなく、「大きな喜びをもたらしてくれる素敵な」仕事だという。介護時のさまざまなエピソード(深夜のおむつ交換でバケモノと間違えられたなど)も紹介されていて、(芸人だからか)その切り取り方が面白いんだが、一方でこういうエピソードから、この人、人と関わる仕事に向いているなと感じさせる。だから読んでいて気持ちが良い。
ほぼ全体がマンガで構成されており、作画はまめこという人が担当している。絵は単純化された簡単なものではあるが、概ね丁寧に描かれており、間などもうまく表現されているため、マンガ作品としても十分楽しめるものになっている。安藤なつという人、よく知らなかったが、この著者に親しみを感じられるようになる本だった。