近藤誠の本
1.『成人病の真実』
2.『ワクチン副作用の恐怖』
3.『健康診断は受けてはいけない』
4.『日本は世界一の「医療被曝」大国』
5.『これでもがん治療を続けますか』

1980年代末から、がんの外科手術の問題に警鐘を鳴らし、あわせて医療の問題点を次々に暴露してきた医師が近藤誠。『がんは切ればなおるのか』や『患者よ、がんと闘うな』などの著書で有名になった。
僕自身も『患者よ、がんと闘うな』が出たときに、読んで衝撃を受けた一人である。僕は、それまで『ガン病棟のカルテ』などを読んでがんの怖さに身震いしてきたクチだが、問題があるのは、がん自体ではなくがんの外科手術にあるという指摘は目からウロコで、自分の感性に照らし合わせても十分説得力があると感じた。もっとも近藤誠の理論(いわゆる「がんもどき理論」)については、医療関係者から激しい反駁があるのも事実で、ウィキペディアなどでも批判的な意見が(断定的に)出ている。そういう批判にも当たってみた上で、どちらが正しいか、読者が自身の感性と知識を総動員して判断すれば良いのである。それがリテラシーというものである。今までは、そのような判断のための材料すら提示されておらず、「早期発見早期治療でがんが治る」と喧伝され、無条件に信じ込まされてきたわけである。その点でも、近藤誠のような医師の存在は、現代人にとって非常に大きな意味を持つ。そして多くの人々が近藤氏の理論に共感しているのも、彼の主張に説得力があるためである。その上、これが一番大切だが、内容が非常に分かりやすい。これは著述者としての彼の才能ゆえだろうが、とにかくどの本も読みやすいのである。そういう点で、日本の医療界は大きな存在を手にしていたということになる(結果的に保守的な医療界を震撼させる結果になったが)。
近藤氏の批判の矛先は非常に広範で、がんの外科手術以外にも、抗がん剤、健康診断、ワクチンも批判の対象になっている。端的に言えば、① がんの外科手術と抗がん剤はほとんどのがんには効かない、② 健康診断自体に病気の予防効果がないばかりか、いたずらに受診者の不安を煽り、放射線被曝などの悪影響ももたらす、③ ワクチンについても病気の予防効果がないものが多い上、急性病や慢性病を引き起こす危険性がある、などというような主張が展開される。それぞれについては、さまざまな論文から引用されたというデータが示され、主張の正当性がデータによって裏付けられるという工合。医療関係者がやたら振り回す「エビデンス」が示されるため、そういう点でも説得力はある。近藤説を批判する人の中には、データが古いなどと言う人もいるが、問題は古いか新しいかではなく信頼できるデータであるかどうかである。そういう判断も、読者がすれば良い。
それぞれについて総論的に記述した本として『医原病』があるが、どの本であっても、少しずつ各論の主張が顔を見せるため、関心のある分野の本を最初に読めば良いのではないかと思う。
がんの関連であれば、『これでもがん治療を続けますか』が、がんの総論として適している。他にも『がん放置療法のすすめ』で、がんを放置した結果患者がどうなったかについて(近藤氏が接した患者群の)具体的なデータが示されていて参考になる(がんを放置した結果、寿命が縮んだとか、のたうち回って死んだとかいうケースはないようである)。

今世間で話題になっているワクチンについては、『ワクチン副作用の恐怖』で、その実態が明かされる。決して(今もてはやされているように)病気の特効薬などというものではなく、蔓延防止の効果についても疑わしいものが多い。その上、ワクチンを接種したせいで重篤な病気になったり死亡したりしたケースも見受けられるため、ワクチン接種自体、それ相当の覚悟がなければ受けることができないもののように思われる。もちろん、この主張についても反駁する関係者は大勢いるわけで(中には製薬会社との間に利害関係がある者もいるわけだが)、どちらが正しいかは、これも読者が判断すれば良いのである。ただ個人的には、ワクチン行政について(というより医療全般についてか)、負の面を知らせずに良い面ばかりを強調しマスコミに広報させるという点で、原発行政と非常に似たものを感じている。
『健康診断は受けてはいけない』では、健康診断の問題に関する主張が展開される。健康診断自体に病気の予防効果がなく、受診者に害ばかりを及ぼすもので、公共事業のように行われているのが実情とする。この本でもさまざまな論文を基にしたデータが提示されているため、読者が判断のための材料として活用することができる。また健康診断でも、むやみにCTスキャンやレントゲン撮影が行われることがあるが、これは相当量の放射線を受診者に浴びせるもので、がん予防のための診断ががんを発現させる役割を果たしているという矛盾がある。これを指摘したのが、『日本は世界一の「医療被曝」大国』である。あわせて読みたい。
近藤誠の著書でもっともインパクトがあると僕が感じたのが、『成人病の真実』である。ここでは、健康診断などで(恣意的に作られた)健康基準値にあてはまらなかった人々が「成人病」(生活習慣病)予備軍とされ、その人々に対して投薬などの治療が行われる(結果的に薬によってさらに体調不良が引き起こされ、投薬量が増える)というマッチポンプ式の経済活動が医療界によって展開されていることを指摘する。筆鋒は鋭く、健康診断事業を推進している、医療界の重鎮たちについても実名を挙げて批判していく。読んでいて痛快に感じるが、こちらもその信憑性については、読者が判断すべきことである。なお、投薬治療の弊害については『このクスリがボケを生む!』でも記述されており、薬剤によって神経関連の病気が生み出される状況(いわゆる「ケモブレイン」)が紹介されている。

現時点で僕は、がんになっても外科手術を受けようと思わないし、たとえ無料であっても健康診断を受けようという気にもならない。自治体から健康診断の案内が頻繁に来るが、すべてそのままゴミ箱行きになっている。病院も自分の都合で行くことはほとんどない。健康診断については、会社勤めをしていたときに1回受けたことがあるが、その後体調が悪くなったので、翌年から受けなくなった。ワクチンも、小学生のときに集団接種で受けて以来(かつては集団接種が子どもの「義務」だったのだ)受けていないし、新型コロナワクチンについても打っていない。僕自身については今のところ大病したことがないし、花粉症やアレルギーもないが、それもこれも、病院に極力行かなかったためと言えなくもない。つまるところ「病院に近づかないことが健康の秘訣」(近藤氏の主張)ということになるだろうか。医療について過剰に期待していない上、医療信仰もない。そういう点でやはり、近藤誠の主張の多くについて受け入れやすいのかも知れない。ただ実際に自分ががん宣告されたら、あるいは外科手術を受けようとするかも知れない(ま、しないとは思うが)。何度も言うが、要は、自分の体のことなんだから、自分でどうするか判断すれば良いのである。そのために必要であれば、情報収集のためにこういう本に当たれば良いということなのだ。














