まんがで読破 施耐庵・作 水滸伝

施耐庵原作、バラエティ・アートワークス作画
イースト・プレス

せめて原作に沿ったストーリーにしてほしい

 中国四大奇書の1つ『水滸伝』をマンガ化したもの。『水滸伝』と言えば、我々世代にとっては中村敦夫主演のドラマを思い出すが、あのドラマすらちゃんと見ていない僕などは、『水滸伝』がどういう話かよく知らず、梁山泊りょうざんぱくに集まった108人の豪傑がワルモンに反逆するというような話であることぐらいしか知らない。で、マンガでどんな内容か知っておくのも一興と思い、今回読んでみたというわけ。

 この『まんがで読破 水滸伝』、内容はそれなりにまとまっているが、ストーリーは原作と少々違うらしい。それにここに出てくる話も、原作の一部だけのようだ。「まんがで読破」というタイトルがあるんだから、原作に沿って全体を描き出すのが筋ではないかと思うが、これではダイジェストにもなっていない。

 キャラクターの描き分けなどはしっかりできていて、マンガとしてはそれなりに面白くできているが、元々が勧善懲悪のエンタテイメント小説なんで、ストーリー自体あまり感じるところはない。ま、それなりのマンガ化企画という評価になるのか。素直に横山光輝の『水滸伝』を読んだ方が良かった。

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