最強に面白い!! 統計
Newton編集部著、今野紀雄監修
ニュートンプレス
モヤモヤは残るが実用性は高い
これも、『最強に面白い!! 周期表』同様、雑誌『Newton』の別冊を基にして作り直した『最強に面白い!!』シリーズの一冊。あの本同様、ムック的な本である。
内容は『周期表』よりも充実しているという印象で、125ページに渡って、統計の基本事項がわかりやすく紹介されている。レベル的には高校の数学で勉強する統計のレベルだと思うが、僕らの時代は高校数学、中等数学で統計をやっていないため、目新しい感じはある。本書では、「標準偏差」や「相関」に加え「標本誤差」や「仮説検定」までカバーしていた。「標本誤差」や「仮説検定」は高校の教科書でもあまりこれまで目にしたことがないため、新鮮な情報ではあった。特に「標本誤差」は今回まったく初めて接したものだが、本書を読んでそれなりに理解できた気がする。もっとも、この本の説明を読んでも、何だかモヤモヤした感じは残る。というのも、標本誤差の式が唐突に出てきてそれを基に説明が進められるわけだが、この式自体どうやって算出されたのか、どの程度実効性があるのかなどの説明が一切ないため、それがモヤモヤの原因になったのだった。
「標本誤差」以外については、特に「標準偏差」や「相関」の説明がわかりやすく、大変実用的であった。「統計」に悩んでいる高校生は、本書を、学校の補習として活用できるんじゃないかと感じた。本自体は大変薄く、1時間もあれば読めるお手軽さである。