生きづらいと思ったら親子で発達障害でした
生きづらいと思ったら親子で発達障害でした 入園編

モンズースー著
KADOKAWA

発達障害者の育児の大変さを
ちょっとだけ疑似体験

 長男が生まれたが、成長が遅い上異様にグズったりして、どうもよその子どもと違うんではないかと感じ診断を受けたところ、発達障害と診断された。ただし子どもの様子に自分の小さい頃と重なる部分があり、調べてみたら自分も発達障害だということがわかったというストーリーのエッセイ・マンガである。

 ただ発達障害といってもグレーゾーンに入るということで、こういう子どもを「障害」と決めつけてしまうことには違和感を感じるが、しかしこういう子どもを持つ親にとっては子育てが異常に大変になるのはわかる。そのためたとえ「障害」扱いになっても、そのために福祉関係のサービスを受けられるというのであれば、それを利用するに越したことはない。実際この著者は、方々駆け回って、この類の障害児を受け入れる「つくし幼稚園」に子どもを入園させることができたわけだ。しかもそこからさらにいろいろな視界が開けてきて、こういう子ども達に対する支援を利用できることもわかってくる。こうして著者は、いろいろな人たちの支援を受けつつ、子育てを進めていくのである。

 途中、著者自身の(発達障害風の)経験も披露され、環境にうまく適用できなかった自身の子ども時代も回想される。また、本人がそれにどのように対処してきたかも紹介され、現代日本社会が、発達障害の傾向のある人にとってどれだけ生きづらい世の中であるかがよくわかるようになっている。この本は、社会的弱者の立場に立った人の視点で描かれているため、マイノリティの生きづらさがよく伝わってくるのである。この本によると、現在福祉が充実しつつある状況というのも窺え、それはそれで良い傾向だと思うが、究極的には、生きづらい人々も寛大に受け入れられるような社会にすべきなんではないかなどとも感じる。

 マンガ自体は説明書きが多く読むのに時間がかかるが、絵の動きなどのマンガ的な要素を求めるのではなく、絵が挿絵の延長ぐらいの認識で読み進めれば特に問題はない。あるいは「自治体の福祉担当の部署で配付されているパンフレットに出てきそうなマンガ」というような見方もできるが、しかし説得力があるし、弱い立場を疑似体験させてくれるという点で、よくできた作品と言える。

-社会-
本の紹介『発達「障害」でなくなる日』
医学、生物学
本の紹介『乳幼児ワクチンと発達障害』