北欧女子オーサが見つけた日本の不思議
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 (2)

オーサ・イェークストロム著
KADOKAWA/メディアファクトリー

高水準の4コママンガ
しかも異文化からの視点が面白い

 日本在住のスウェーデン人が、日本で見聞きしたあれこれについて描いた4コママンガをまとめたもの。元々はSNSで発表していたものらしい。

 このスウェーデン出身の女性、子どもの頃、母国で『セーラームーン』を見て日本のマンガにはまり、いつか日本でマンガを発表することを夢見て、ついに来日し、専門学校でマンガの勉強をするまでに至る。ただ日本に来る前にスウェーデンでもマンガを出版しており、本書を出す前から、言って見ればプロのマンガ家ではある。

 近年、エッセイ・マンガが増えているが、一般的にエッセイ・マンガは、内容は斬新だが絵や表現がもう一つというものが多い。このマンガも当然エッセイ・マンガという範疇に入るんだろうが、絵が非常に丁寧に描かれていて巧みで、しかも日本のマンガ文法(みたいなもの)にもよく通じているため、いかにもプロの作品という感じがする。内容についても、異文化発見、つまり異邦人の目から見た日本社会の状況が描かれていて大変興味深く(日本人には気付かない視点が面白い)、しかも(4コマ目で落とすという)4コママンガのフォーマットもきちんと踏襲されているため、グレードが非常に高いと感じる。そこいらのエッセイ・マンガよりもレベルが一段階上という印象である。

 今回、第2巻も読んだが、こちらは、異文化発見だけではなく、これまでの半生も描かれているため、そういう点でも興味深かった。日本のエッセイ・マンガの標準もこれくらいのレベルに設定しておきたいものだと思う。

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