ニューヨークで考え中

近藤聡乃著
亜紀書房

癒やし系ニューヨーク滞在記

 マンガ家であり画家でもある近藤聡乃のエッセイ・マンガ。

 ニューヨーク在住6年の著者が、のんびりしたニューヨーク生活をのんびりした画風で描くというもの。基本的に見開き2ページで1本、計70本プラス最初と最後にそれより長い2本(「未踏の地」と「続・未踏の地」)が収録されている。70本の見開きマンガは、元々Webマガジンおよび本人のWebサイトで公開されていたもので、最初と最後の2本は書き下ろしである。

 ニューヨークでの生活がネタであり、ニューヨークで感じた文化ギャップなどが紹介される。絵は「癒やし系」、セリフなどの文字もすべて手書きでこちらも「癒やし系」と言える。ネタ自体は概ね面白いが、大爆笑などというものはない。要するに「癒やし系」である。

 面白かったネタは、日本語を勉強し始めたアメリカ人の彼が、ひらがなとカタカナを憶えたばかりで、練習でいろいろな日本語を読もうとするというエピソード。彼「ビ……ジ……ネ……ス……」、私「ビジネスね」、彼「ビジネス?」、私「?……ああ……businessね」、彼「businessか!! OH!」となる。そうして、私「「日本人の英語」が通じないわけだよなぁ」と納得するという話。逆バージョンの話は英語を学習するときにもあるから妙に納得してしまった(たとえば「communication」→「コミュニケーション」や「receive」→「レシーブ」など)。

-マンガ-
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