「詐欺の温床」兼「ゴミ捨て場」と化したアマゾン……
まさにA→Zへ転落

 ここのところ、アマゾンはあまり利用しなくなってはいたが、他で手に入らないものはどうしてもここに頼らなくてはならない。それに前に買った商品を再び買うなどというケースもあって、完全に手を切ることはなかなかできないが、しかしなるべく使わないようにしようとは思っている。

 元々利用しなくなったのは、『潜入ルポ amazon帝国』を読んでアマゾンの問題性に気付いたことがきっかけで、倫理的な側面が大きかった。言って見れば僕の中の正義感に突き動かされたわけだが、ただここのところアマゾンには別の問題も多く、むしろ積極的に避けようとさえ考えるようになっている。

 その問題の1つは、あまりに多くの粗悪品が平然と売られていることで、これはおそらく海外(多くは中国)の業者がバッタもんをアマゾン経由で売っているためで、アマゾンへの出店のハードルが低いこととアマゾン内部で商品の品質を精査していないことがその理由であることは容易に想像できる。もちろん以前から粗悪品が見受けられていたが、最近は「チラホラ」というようなレベルではなく、ものによってはほとんどが中国製の粗悪品(つまりゴミ)ということも多い。中には、スポンサー商品みたいな扱いになっていて、お勧め商品に設定されている粗悪品まである。しかもレビューも多くがフェイクで、いちいちサクラチェッカー(フェイクレビューを検出するサイト)でチェックしなければ迂闊に買うこともできないと来ている。もちろん怪しい商品は、疑心暗鬼の目で見れば大体推測できるが、それでもわからないものもある。何より商品を買うのにその出自を疑心暗鬼で探るなどという作業を強制されるのはたまったもんじゃない。こうなると玉石混淆レベルではなく、石石混淆である。

 また、真っ当な商品であっても、出品業者によって送料が異様に高く設定されている(場合によっては商品の販売代金以上)ようなこともあり、これなんか明らかに消費者の目を出し抜こうとしているもので、完全な詐欺行為である。それが放置されている状態であることを考えると、もはやアマゾン自体が健全な商習慣のためのプラットフォームでなくなっているわけである。さらに最近では「セッションハイジャック」による搾取まで発生しているということで、知らない間に詐欺に遭う可能性まで出てきている(「Amazonの二要素認証が突破される? 新手の詐欺が発生中」(ASCII.jp))。こうなると詐欺の温床と言うことさえできるほどで、これまでの感覚でネット通販を利用することは、少なくともアマゾンではもはやできなくなっている。こういうことがあって僕は、アマゾンに登録していたクレジットカード情報を即座に削除した。

 今後は、アマゾンはデータベース用途以外では極力利用しないことにする。これまでアマゾンで購入した商品も極力他で探そうと決意しているところである。ただ、他のサイトといっても、問題のある詐欺サイトが林立しているのが現状で、見知らぬサイトを迂闊に利用すると詐欺に遭うことも近年多い。いずれにしてもネットショッピングは今後控えていこうと思っている。

追記:

 前にも書いたが、本稿のタイトルに付けているアマゾンへのリンクはあくまで参照の意味合いであり、アマゾンでの購入を勧めるものではないということをお断りしておく。アマゾンの商品データベースとしての価値が見逃せない上、そのデータベースを利用することはアマゾンの利益を生み出さないため、当座は現状維持で行こうと思う。決してリンクを辿ってそのままアマゾンで購入しないでいただきたい。買おうと思う場合は、同じタイトルのものを他の業者(ヨドバシ・ドット・コムなど)で検索していただきたいと思う。

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本の紹介『潜入ルポ amazon帝国』