私はカレン、日本に恋したフランス人
じゃんぽ〜る西著
フィールコミックス
「外側から見た日本」が面白い
フランス人と結婚したじゃんぽ〜る西は、これまでたびたび、それをネタにしたエッセイ・マンガを描いているが、この本もその中の一冊。妻である西村・プぺ・カリン(本書ではカレン)がバカンスで日本にやって来て、やがて日本で仕事を始め結婚するいきさつを、夫のじゃんぽ〜る西の視点を交えて描いている。
『モンプチ 嫁はフランス人』を読むと、この「嫁」の来日するまでの人生が気になり、それでかつて『フランス人ママ記者、東京で子育てする』を読んだりしたわけだが、どちらの本もやはり執筆時の「現在」が中心になるため、どうしても過去の話は少なめである。そこで本書などでそれ以前が描かれると、他人様の話ではあるが、一貫した人生が見えてきて面白くなる。
フランス人のジャーナリストが2000年頃の日本の何に惹かれたのか(カレンさんの場合、電車内のアナウンスなどの音だったらしい)などは、異文化交流の視点でも興味が湧く上、日本国内にいると気付かない「外側から見た日本」が見えたりする。こういった異文化ものが僕にとって面白く感じるのは、多分に僕個人の嗜好のせいであるわけだが、本書についてもそういう面がしっかり描かれていて、そういう点で満足の行くものだった。じゃんぽ〜る西のマンガも、絵のうまさは毎度あまり感じられないが、コマ割りや間の取り方がやはりプロで、毎度ながら存分に楽しめる。じゃんぽ〜る西自身の若い頃(結婚前)を描いたマンガもあり、もしかしたら前に読んだことがあったような気もするが、読んでみようかなとも思う。ちなみに本書にも少しだけ「若き日の西」が描かれている。
本の紹介『モンプチ 嫁はフランス人』
2024年10月14日
本の紹介『フランス人ママ記者、東京で子育てする』
2024年10月17日
本の紹介『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』
2024年10月10日
本の紹介『英国一家、日本を食べる』
2024年10月21日
本の紹介『英国一家、ますます日本を食べる』
2024年10月24日
本の紹介『コンクリンさん、大江戸を食べつくす』
2024年10月28日
本の紹介『「ニッポン社会」入門』
2024年10月31日
本の紹介『クール・ジャパン!?』
2022年2月1日