0.7ドライグランドがベスト

 筆記用具は人によっていろいろと好みが別れるところで、万人には奨めがたいものですが、私のお気に入りは、なんと言ってもゼブラのサラサです。はじめてこのボールペンに触れたのは、サラサクリップ0.7という商品で、ペン先の太さが0.7mmのものでした。0.7mmというと若干太めですが、その書き味たるや未経験の領域で、本当にサラサラと書けるのはかなりの驚きでした。まさに「サラサ」の名前にふさわしい書き心地と言って良いでしょう。

 ただ、このサラサクリップ、プラスチックのペン筐体が安っぽく、しかも軽すぎて握り心地が良くないことから、どうにも好きになれず、結局オートというメーカーの「リバティ」というボールペンを買って、中にサラサの交換用インク(いわゆるリフィル)を入れて使っていました。なお、リバティとサラサには中軸の互換性があって、そのまま入れ替えて使うことができます。それぞれのペンごとにある程度の互換性があるという事実は、某文房具雑誌で初めて知って、リバティとサラサの互換性についてもそのとき知ったわけです。このオート+サラサは、プラスチックのペン軸と違って高級感があり、しかもすばらしい書き味が加味されるということで、ベストのカップリングでした。当時は、こういう高級感のあるペン軸が少なかったことですし、それなりに満足はしていたんですが、頻繁に使うとなると終始キャップをつけたり取り外したりする必要があって、それが少し不満な点でした。

 そうこうしているうちに、ボールペン業界も高級志向になったのかどうだかわかりませんが、高級感のあるペン軸の製品が少しずつ各メーカーから出されるようになりました。サラサのゼブラもご多分に漏れず、「サラサグランド」という名前のクリップ式の製品が登場し、これがなかなか高級感があって良かったため、結局こちらに乗り換えることにしました。ただし「サラサグランド」は0.5mm芯のものしか出ていないようで、リフィルだけは0.7mmのものに入れ替えて使っています。なおリフィルについては、速乾性のもの(「サラサドライ」)がその後ゼブラから登場し、こちらがなかなか良いので、現在はこのサラサドライを使っています。このドライ+グランドの組み合わせは目下かなりのお気に入りで、ペンで書く必要のある場面では、常にこれを使うようにしています。

 また、「サラサグランド」には赤い軸もあるんで、それに0.7mmの赤インクを入れて、赤ペンとして使っています。こちらも書き心地はすばらしい。ただし速乾性の赤インクはないようで、赤インクは通常のリフィルです。

 サラサでもっとも書き心地が良いのは0.7mmです。0.5mmではこれだけの書き心地は得られません。多少線が太くなりますが、書き心地を求める方には0.7mmをお奨めします。まさに異次元の書き心地です。

 サラサの最大の難点は、インクの減りが異常に早いことで、おかげでリフィルを交換して使うという習慣が当たり前になります。これはSDGsを消費者に意識させるという意味では逆に良かったのかも知れないと感じます。ただやはりあまりにインクの減りが速いため、私などは交換用リフィルをまとめ買いしており、ペンケースの中に交換用リフィルを予備として1本入れているという有り様です。ただ、それだけの不便があっても、使い続けたいペンであることに変わりありません。

 これまでもいろいろな人にお奨めしていますが、これをお読みのあなたにもお奨めしたい。そんな逸品です。サラサは…………。

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