英語の歴史 ― 過去から未来への物語

寺澤盾著
中公新書

英語学入門のための恰好の一冊

 英語学概論という位置付けの本。英語の特性から書き起こし、どのように発生したか、外国語からどのような影響を受けてきたか、将来どのように展開していくかについて総論的に説明していく。

 英単語の中には、ドイツ語と似通った単語が多い他、フランス語の影響を受けたと思われる単語も結構多い。本書によると、ドイツ語との共通性は、英語がそもそも西ヨーロッパに定住したゲルマン民族の言葉だったことに由来し、フランス語との共通性は、1066年のノルマン・コンクェストでフランス人がブリテン島の支配階級になったことに由来する。英語は歴史上、古英語期(450-1100)、中英語期(1100-1500)、近代英語期(1500-)に大きく分けられるが、ドイツ語との共通性は古英語期、フランス語との共通性は中英語期に発生したということになる。

 個人的に一番関心があったのが、文法や音韻が経時的にどのように変化しているかで、そのあたりもわかりやすい説明があった。特に音韻の変化が、舌の位置が少しずつ上がっていることに由来するなど、明確な解説があって少し目からウロコであった。総じて入門書としての位置付けで、そのためもあってか巻末に「文献案内」と「英語史年表」が付いていて非常に親切である。事項や語句の索引があるのもこれまた親切。個人的には買って手元に置いておきたい本である(図書館で借りて読んだ後、結局買いました)。

-英文法-
本の紹介『はじめての英語史』
-英文法-
本の紹介『英語の歴史から考える 英文法の「なぜ」』
-英語-
本の紹介『英語の語源の話』
-英文法-
本の紹介『ネイティブスピーカーの英文法』