新型コロナワクチンの光と影
誰も報じなかった事実の記録

大石邦彦著
方丈社

新型コロナワクチン被害を明るみに出す

 2020年に流行した(とされる)新型コロナについては、どのマスコミも一様に、政府発表を絶対的な真実であるかのごとくそのまま伝え、そのために令和の翼賛状態になってしまったのは記憶に新しい。それに異議を唱える論調が現れると、マスコミと愚かな衆愚が束になって集団バッシングという名のリンチを行うという有り様で、80年前の全体主義の教訓がこの国ではまったく活きていないということが明らかになったわけである。

 もちろん、そういう状況でもこれに異議を唱える果敢な人々は存在し、書籍などで訴えてきたが、それでもテレビや新聞などのマスコミで取り上げられることはあまりなく、結果的に日本の報道機関の低レベルさが浮き彫りになったわけだが、例外的に一部のマスコミ(名古屋の中部日本放送と神戸のサンテレビ)がワクチン被害について報道していたようである。放送内容がYouTubeで公開され、かなりのアクセス数を集めていたことからわかるように、こういう情報を必要としていた人々は実は多かったのではないかと思う。報道すべきことを伝えず、背中を向けて知らん顔をしていた多数の大手マスコミは、報道機関としての役割を放棄していたと言われても仕方がなく、その信頼性を著しく損なうことになった。今回のことを十分反省して、今度二度とこのようなことが起こらないよう誓わないと、存在価値すら失って、誰からも相手にされなくなるだろう。

 さて、そんな中でもかなり積極的に新型コロナワクチンの被害を報道してきたのが、中部日本放送(CBC)の『チャント!』という番組らしく(僕は番組自体は見たことがない)、この番組のアンカーマンをやっている大石邦彦というアナウンサーが、ワクチンの副作用で苦しんでいる人々の実態を積極的に番組内で紹介してきたようである。先ほども言ったように、あわせてYouTubeでも同様の映像を発表しており、僕はこちらの動画は何度か見ていた。YouTubeでも当時、ワクチンに異議を唱える動画が排除されていたらしいが、それを考えるとなぜこの動画が排除されなかったのかがよくわからないが、ワクチン接種反対を訴えるのではなく、ワクチン被害者の状況のみを伝えていたことからあるいはこうした「検閲」をかいくぐったのかも知れない。このYouTube動画の内容としては、被害者の実際の映像が出てきてかなりショッキングではあるが、伝え方がバラエティ然としていて、そのために僕などはくどさとまだるっこしさを感じていた。そのため、YouTubeを見るときは早回しで見ていたほどである。

 その関連本が23年初頭に出るという話を聞いて、早速図書館に予約を入れたが、6月になってやっと手元に届いたんで、とうとう読むことができたという次第である。新型コロナワクチンについては、死亡事例もかなり出ていることが知られているが、その死亡事例に該当しない後遺症も相当数出ているようである(当然と言えば当然であるが)。このような後遺症に苦しむ人々を取り上げたのが先の番組と著者の大石アナウンサーで、この本ではそれをあらためてまとめ直している。番組の焼き直しのような内容であるため、全体的にやや情緒的で感情に訴えるようなしつこい表現が多いが、人生を一変させたワクチン後遺障害の恐ろしさを伝えることには成功している。

 厚労省に報告された死亡者数(2,000人以上)を考えると、後遺障害もその数倍から数十倍あってもまったくおかしくないが、実際にはあまり表に出てきていない。だが一方で被害者の会も作られたりしているため、いずれ被害の訴えの波は大きくなっていくのではないかと思う。表に出てくる被害者が増えてくれば、報道機関も行政も無視できなくなる。いずれは薬害訴訟にまで発展する可能性もあり、同時にワクチンの危険性にも世間の注目が集まるようになるかも知れない。このような役割の一助になったという点でも、CBCと大石アナウンサーの仕事は称賛に値すると言えるのだ。

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本の紹介『ワクチン幻想の危機』
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本の紹介『ワクチン副作用の恐怖』
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本の紹介『子どもと親のためのワクチン読本』
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本の紹介『成人病の真実』