高校生向けおすすめ英語参考書 英文法編
細かすぎる英文法参考書にはお引き取りいただこう
『高校 とってもやさしい英文法』
『高校 ひとつひとつわかりやすく。』シリーズ
これまで英文法関連の参考書(になる本)を何冊か紹介してきましたが、あれはどれも上級者向けです、はっきり言って。現在英語勉強中という中高生にとっては、負担が大きいので、簡単に手を出さないようにした方が無難です。
文法事項は、以前は高校や予備校でも「文法」用の問題集を必死になってやっていましたが、現在では文法事項自体が大学の入試問題として出されることが割合少なくなったこともあって、文法問題用の穴埋め問題集をひたすらやるというのは、正直言ってあまり必要なくなっています。今でもこういった問題を生徒にひたすらやらせている高校は多いようですが、はっきり言って時代錯誤です。それにああいう類の勉強法は、英語を使う際にあまり役に立ちません。まさに受験勉強のための勉強、言って見れば検定試験のための勉強みたいなものです。
英語を読み書きする上で必要な文法事項は、実はそれほど多くありません。しかもそのほとんどは中学で勉強する内容で、高校で新しく勉強する事項と言えば、関係副詞、使役動詞、知覚動詞、分詞構文、過去完了形ぐらいじゃないでしょうか。かつては高校課程に仮定法などというものがあって、(私を含めて)高校生の頭を悩ませてきましたが、今や仮定法は中学の英語課程に入れられている有様で、まったくもって驚きです。中学生諸君および中学校の先生にはご同情申し上げます。ただ、仮定法過去完了などというものはいまだに高校課程に割り振られているようですが、これも仮定法の一つのバリエーションに過ぎないため、高校での英文法の負担は相当少なくなっている模様です。なお、高校課程では、さまざまな語法を勉強する必要がありますが、こちらは長文を読んでいく中で身に付けるのが一番効率的です。
ともかく英語をこれから有効に活用したいという人であれば、それほど大げさな英文法の教科書、問題集は必要ないのです。そのため、いたずらに複雑な、500ページ以上もあるような文法参考書を買い込む必要はまったくないと断言して良いでしょう。あくまで文法は、語学を習得するための手段でしかないのです。
そういう風に考えていくと、学校での学習の補助手段として参考書が必要であるのなら、簡潔で必要最小限の事項だけを抑えた参考書を選ぶのが理に適っていると言えます。
私自身、高校に通っていない生徒に英文法を教えたことがありますが、その際は、旺文社から出ている『とってもやさしい英文法』をテキスト代わりに使いました。実際には長文読解中心で授業を展開するため、英文法の本はそのための副読本扱いです。だから、いずれにしても極力簡単な方が良いわけです。実際、これで勉強して、高校英語の英文法はほとんど習得できていましたし、大学入試の長文問題もかなりのレベルで読めるようになりました。もちろんさらに奥深く英語学や言語学も勉強したいという意欲のある人は、かつてここで紹介したような本に当たれば良いのです。ここで言っているのは、高校の学習過程や大学入試レベルの英語を読む上で必要になる英文法の知識という話であり、そのためには複雑な辞典のような文法参考書は要らないということなのです。
先ほど紹介した『とってもやさしい英文法』は、必ずしもこれがベストだというわけではなく、当時、他にこの類の本がなかったためこれを利用したというだけです。現在は、中学生向け参考書として有名な『ひとつひとつ』シリーズが高校課程にも進出しており、こちらのシリーズに良いものがあるかも知れません。他にも似たような参考書が増えていますが、これは良い傾向だと思います。
『とってもやさしい』シリーズは、他にも数学や古文なども使ってみましたが、こちらはもう一つという印象です。高校数学については『ひとつひとつ』シリーズの方が、よく整理されていて使いやすいと感じました。コンセプト自体はどちらのシリーズも同じなので、書店で自分で手に取って良いものを選ぶと良いでしょう。
とりあえずのおすすめ参考書
高校英文法入門編
高校数学入門編
高校 数学Iをひとつひとつわかりやすく。 小島秀男著、学研プラス
高校 数学Aをひとつひとつわかりやすく。 小島秀男著、学研プラス