増補改訂版 もうワクチンはやめなさい
予防接種を打つ前に知っておきたい33の真実
母里啓子著
双葉社
百害あって一利なし
近藤誠の『ワクチン副作用の恐怖』とほぼ同じ主旨の本。ただし初出はこの本の方が大分早いため、近藤誠が本書に触発されてあの本を書いたのではないかと考えられる(巻末に近藤誠との対談もあるため)。つまりかなり早い段階からワクチンの危険性、無用性を世間に訴えていた本と言うことができる。
著者は、ウイルス学などを研究し、ワクチンの改良などにも従事した医師であり、ワクチンの本質については誰よりもよく熟知している人であると考えることができる。その著者が、現在一般的に(特に乳幼児に)広く接種されているワクチンのほぼすべては無用などころか大変な害があると主張するわけで、すべては一般社会のワクチンに対する異常なほどの信頼(というより信仰)と、医療業界の利益追求の姿勢がその根本原因であるとする。その上で、乳幼児(あるいは一般人)に接種されているそれぞれのワクチンの無意味さと危険性を訴え、ワクチンは極力打たないことが望ましいということを主張する。
もちろんワクチンには、天然痘やポリオなどのワクチンのように一定の役割を果たした(可能性のある)ものもあるが、ほとんどの感染症に対して現行のワクチンは効果がない。それどころかワクチンという大量の異物を複数種同時に体内に入れるという暴挙を乳幼児に対して行っているため、その影響は予測不能な上、計り知れないという。破傷風ワクチンや麻疹ワクチンなど、状況によって社会的に求められるワクチンについては(特定の国に入るときに求められる場合や一定の職に就く上で必要な場合)、その都度本人の判断で打てば良いわけであって、乳幼児に一律にワクチンを接種することは非常に危険であり即刻やめるべきというのが本書の主張である。ワクチンは、そのほとんどが医療業界の利益誘導の目的で導入されたものだという主張も説得力がある。
世間の親が、ワクチンの問題性について知らないために、良かれと思って子どもに大量のワクチンを接種させるのが今の日本の状況である。親たちは、少なくともその危険性について認知した上で、子どもにワクチンを接種させることにどのような問題があるのか把握しておく必要があるということである。実際今のように、子どもの中に自閉症をはじめとする障害やさまざまなアレルギーが増えていることを考えると、その背景に大量のワクチン接種との因果関係があるのではと当然のように疑われるわけだが、残念ながら今の日本ではワクチン信者がきわめて多く、新型コロナワクチンに疑義を呈すだけで「反ワクチン」などとレッテルを貼りたがる連中が多いのも事実である。ワクチンのことなんかろくに知りもしないのに、自分の乏しい知識にすがりついて他者に自分の主張を押し付けようとするなど、愚者の極みである。こういった人々には、この本を読んで基本から勉強し直して、自分の行動を足下から振り返ってもらいたいものである。