予防接種を考える75の話
母里啓子著、「子どもと親のためのワクチン読本」編集部編、えのきのこイラスト
双葉社
乳幼児を持つ親は
子どもを犠牲にしないためにも
知っていた方が良い

『子どもと親のためのワクチン読本』と同じたたずまい、構成で、似たような内容の本。それもそのはず、本書には「子どもと親のためのワクチン読本シリーズ」という副題もついている。つまりあの本の続編としての扱い。あの本との違いは、新型コロナワクチンについても触れられている点と、著者の母里啓子がすでに逝去しているという点。したがって本書は、母里啓子著となってはいるが、厳密には「母里啓子著」ではなく、母里啓子の言行を再録しそれを編集部が補ったというものである。
ただし内容は、母里啓子自身が書いたかのような雰囲気で、まったく違和感はない。多くは既著『インフルエンザワクチンは打たないで』、『もうワクチンはやめなさい』、『子どもと親のためのワクチン読本』からの引用ではあるが、その他の部分については、母里啓子が、講演会などで語った内容なのではないかと思われる。
語り口は例によって非常に優しく、予防接種についてあくまでも子どもの健康という視点から考えるべきとする見方で一貫している。そのため、自らの利益や自己満足のために子どもの健康を犠牲にしていると考えられる、現在の製薬会社、ワクチン行政に対しては非常に厳しい立場をとっている。とは言え、著者の主張はきわめて常識的で、ほとんどの人が賛同できるようなものであり、決して一部の人間が差別的に口にするような「半ワク」だの「Qアノン」だのといった、反感を呼び起こすものでは決してないと思うが、そういった人間はそもそもものごとを自分の頭で考えないので、聞く耳を持たないのかも知れない。そういう困った人々はともかく、ワクチンの真実に少しでも迫りたいという人、特に子どもを持つ親には、ぜひ接して欲しい本である。全75章が見開きで書かれており、拾い読みでも読めるだけでなく、内容も非常にわかりやすい。
盲目的に行政を信じてワクチンの犠牲になっても取り返しがつかない。結局のところ、周辺環境に問題がある場合は、自己防衛するしかないのである。いずれにしても、今の乳幼児向け予防接種の状況(回数が多すぎる上、混合ワクチンなどという危険性がはかりしれないものが平然と接種されている。しかも効果も必然性もないものがほとんどという状況)が異常であることぐらいはすべての人々が認識すべきだと思う。