五分の虫、一寸の魂

松下竜一著
現代教養文庫

松下竜一の奥行きの深いユーモアセンスに驚く

 『暗闇の思想を』『明神の小さな海岸にて』の内容をユーモア小説仕立てで仕上げた一編。

 どこまでがフィクションかわからないが、法廷内でのやりとりが非常におかしい。松下竜一の面目躍如というか、こういったものをもっと書けば良かったのにと思えるほど、奥行きの深いユーモアセンスに驚く。豊前火力発電所建設反対闘争には、前2著で描かれた深刻な面だけでなく、こういった楽しい面もあったことを書きたかったのだと著者は述べている。確かに著者が発行していた『草の根通信』からもそういう楽しさは伝わってきたが、しかしそれでも、このレベルまで昇華させられる力量というのは瞠目に値する。

 ちなみに本書は、僕がもっとも最初に読んだ松下本であり、読んだのは今回が2回目だった。実に25年ぶりである。しかも前よりもインパクトは強かった。

-社会-
本の紹介『暗闇の思想を』
-社会-
本の紹介『明神の小さな海岸にて』
-文学-
本の紹介『潮風の町』
-文学-
本の紹介『あぶらげと恋文』
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本の紹介『ルイズ 父にもらいし名は』
-社会-
本の紹介『仕掛けてびっくり 反核パビリオン繁盛記』
-社会-
本の紹介『小さなさかな屋奮戦記』
-文学-
本の紹介『ケンとカンともうひとり』