昭和史 1926-1945

半藤一利著
平凡社ライブラリー

近代史にはミクロな視点が不可欠

 1926年から1945年の敗戦までを通史的に(文字通り)語った本。

 歴史というとどうしても大局的(マクロ的)な見方になりがちである。本当は人間対人間の局所的(ミクロ的)な営みの集まりの筈なのに……。

 マクロ的な見方をするから、アジアから米英を駆逐するなどという壮大な発想が生まれてくる。本当のところは、自分が生きるか死ぬかというレベルでしかないのに。

 何百年も前の出来事であれば、マクロ的な見方をしてもかまわない(現実にはそうするしかない)だろうが、直近の歴史ということになると、その影響力を考えた場合、自分を含めて家族や友人などの命がかかわるのであるから、ミクロ的な発想でものごとにあたらなければならない。歴史解釈もしかりである。近代史は、極力ミクロ的な見方で語っていただきたいものである。

 著者は、本書において、まさにミクロ的な見方で近代史を語っているため、読者は本書を通じて時代の空気をそのまま感じることができる。時代の高揚感や閉塞感さえ伝わってくるように感じる。これを読んでいると、愚かしい人々がいかに市民をミスリードしていったか、市民の側もそれに乗っかって大騒ぎしたかがよくわかる。要するに、作者の言う「アホーな戦争をした」ということだ。

 本書も講義録が元になっているので、非常に読みやすく、エンタテイメントとしても面白い。好著である。

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