スマホ断ち
30日でスマホ依存から抜け出す方法

キャサリン・プライス著、笹田もと子訳
角川新書

スマホの問題性を把握する上で格好の本

 スマホ依存になっていることに危惧を抱き自ら「スマホ断ち」を敢行した著者が、そのための具体的な方法を紹介する書。

 昨今、スマホ依存を扱った本が増えているが、実際にスマホに振り回されている人々が増えているという背景があるのは間違いない。そもそもスマホ、そしてそのアプリには、人を依存させるような性質があり、同時にそれを販売している側にもユーザーを依存させようという意図がある。そしてまんまとその罠にはまった人々が世の中にあふれかえっているというのが現状なわけだ。

 本書では、前半部分(第1章)で、スマホの持つ依存性、そしてユーザーを依存状況に導くシステム、知らず知らずのうちに個人データが収集されている状況などが語られていく。そして後半の第2章で、4週間に渡る「断スマホ」プロセスが具体的に紹介されるという構成である。

 後半は、ステップバイステップでプログラムが紹介されるためきわめて具体的であり、なおかつ実践的であるような気もするが、僕自身がスマホにまったく依存しておらず、むしろ嫌っている方なので、実際にこのガイドがどの程度役に立つのかわからない。ただ内容から判断するに、かなり具体的な記述であるため、断スマホを思い立った人にとっては有用なのではないかと感じた。一方で僕個人としては、前半の記述、つまりスマホを取り巻く状況の記述が、詳細でわかりやすい(もちろんこれまで方々で語られている内容がほとんどだが)と感じたため、こちらの方に好感を持った。非常に要領よくまとめられていて、これだけでも類書より断然優れていると感じた。

 構成にも無駄がない上、中身の記述も充実していることから、スマホ依存に悩む人にとってはあるいは福音になるかも知れない。知らんけど。

-社会-
本の紹介『脱ネット・スマホ中毒』
医学、生物学
本の紹介『スマホ脳』
-社会-
本の紹介『僕らはそれに抵抗できない』
-社会-
本の紹介『スマホ依存から脳を守る』
医学、生物学
本の紹介『スマホはどこまで脳を壊すか』
医学、生物学
本の紹介『もっと!』
医学、生物学
本の紹介『スマホ失明』